この大きな空に淡く景色を描けたら…小さな心、空に捧げて。
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『幸せの泉』
2008-03-14 Fri 22:30
こんばんは。どうにか歌は歌い終えることが出来ましたー。うん、今日のは良かったです!



さて。いよいよこの前から言っていた、童話をのせたいと思います。

初めて…ですね、ファンタジーに挑戦しました。というより、頭に浮かんできたというのが正しいのですが。。。

まだ至らぬ点が多いかと思いますが、ご了承下さいm(_ _)m



では続きよりお楽しみ下さいませ♪



初めまして。私は木の妖精です。今日は『幸せの泉』という友人の話をします。

むかし、森をしばらく行ったところに、その幸せの泉はありました。その近くで涙を流したものは幸せになれるという…そんな美しい話を持つ泉でした。

私は水辺の木の中から、よくその泉と話をしました。その泉はたくさんの話を持っていて、話しても話しても足りないほどでした。

私はときどき森をパトロールに行くのです。何日かに1度行くのですが、木が苦しそうだったら子守歌を聞かせたり、傷を治したりしました。
あるとき私は飛んでいる途中でカラスと当たってしまいました。カラスの体の方が私より大きいので、カラスに羽を折られてしまいました。
羽を背中に背負うようにしてゆっくり歩いて泉の近くの木に帰ってくると、その泉は私に聞いたんです。

『いつも気持ちよさそうに飛んで帰ってくるのに今日はどうしたんだい?』

私は飛んでいるときにカラスに当たってしまったのだと答えました。するとその泉は言いました。

『僕のそばで泣いてごらん。辛かっただろう。』

私は泣きました。小さい妖精であったから大きな声ではありませんでしたが。

しばらく泣いたのちに、その泉と色々な話をしました。私が小さかった頃のこと、森のこと、友達との笑い話。

そして暗くなり、木のうろに入ってから気づいたのです。心が軽くなっていることに。

羽はまだ痛かったけれど…。でもその痛みもずいぶんおさまっていました。

そんなこともあって私はその泉は幸せの泉だと信じていました。実際そうなのだと思います。


またある日のことです。森に女の子がやってきました。

「わ、本当にここに泉があるんだ…。」
彼女はどこかで、森に幸せの泉がある、という話を聞いて探検に来たようでした。
やがて彼女は泣き始めました。お人形さんがほしいようと言いました。

時間が経ち、辺りが暗くなって彼女は慌てて帰っていきました。

その泉は少し迷っているようでした。

だけど、結局叶えてあげることにした…というのは後で知りました。

2、3日経ち、今度は5人くらいの人が来ました。この前来た女の子とその家族です。
その女の子は片手に大きな人形を持っていました。

「おー。本当にあった。やっぱり言っていた通りだったんだな。」

彼女のお父さんらしい人が言いました。

その家族は女の子を除いて、自分の、自分だけの願いを込めて泣きました。

また泉は迷っているようでした。

「願いはさ、わざわざあなたが全て叶えなくてもいいんじゃないの?」

苦しんでいるその泉を見ていられず、私はそう言いました。

『でもこれは僕の仕事だから…』

やっぱり泉は願いを叶えてあげることにしたようです。


また2、3日経ち今度は数え切れないくらいの人が泉に押し寄せました。みんな泣いていきました。でも、よく聞いてみると…。
お金がほしい。名誉がほしい。こんな仕事をやりたくない。頑張らずに業績を上げたい。

みんな勝手なことばかり、泉にお願いをしていきました。中にはお金を泉に入れてお願いしてゆく人もいました。泉が汚れてしまうのに。

私は少し騒がしいなと思いつつ、パトロールに出かけました。

そして空から下を見ていました。

すると森の近くに犬と一緒にいる女の子を見かけました。私は少しその子に近づきました。

その子は犬を撫でながら話していました。

「私は幸せだから、あの泉にお願いすることは無いけれど…だけど、みんなが仲良くなってほしいんだよね…。あの泉さんだって大変だよね。毎日みんなのお願い事を聞かなくちゃいけないんだもの。だけど本当にみんなが幸せになってくれたらいいよね…。幸せ…難しいけれど。ねぇどう思う?」
そう言って犬を抱き上げていました。

私はこれをあの泉に話してあげようと思い、パトロールを終え、自分が住む木に急いで帰りました。

その泉の周りにはもう人が居ませんでした。
だけどその泉がとても疲れているのは見ただけで分かりました。

いつも底まで澄んで見えるのに今日は白っぽくにごって見えました。また水のある部分がいつもより小さくも見えました。

「大丈夫…?」

私はそうとしか聞くことが出来ませんでした。そしてその泉は返事もはっきりと出来ないほどに疲れきっていました。

私はそっと水面(みなも)に行って人々が落としていったものや硬貨を拾って森の外へ持っていきました。

何回かそうしたあと私はその泉に、森の入り口で見た、優しい女の子の話をしました。
その泉は話を聞いた後、言いました。

『そういえば僕…まだ君に話していなかったね。』

私は首をかしげました。何の話か分からなかったからです。それを見ていたのかは分かりませんが、その泉は話し始めました。私が内容をまとめてここで話しますね。

私は妖精で、たくさんの年数を生きていますが一つの場所でとどまっているのではなく何年かで場所を移動します。だけどその泉は違い、ずっと同じ所で生きる運命(さだめ)を持っています。

私と出会うずっと前に、ある期間ずうっとその泉はひとりぼっちだったんだそうなんです。草も木も生えず、水たまりのように小さく土の中を生きていたのです。辺りは土でしたから今よりもずっと大きさは小さかったよと、今は幸せだよとその泉は言いました。
そこへ1人の女の人が来ました。女の人はふとその泉に目をとめました。そして少し首をかしげ腕を組んで考えた後、持っていた包みから何か小さな物を取り出し、その泉の周りに黙ってまいていきました。

人と私たちのような存在のものたちが話せる時代(とき)だったので、

『ありがとう』

とその泉は言いました。
その女の人はにこっとしたけれど、相変わらず口は開きませんでした。

「あなたはたくましいのね。すごい。周りがこんなことになっているのに…」

その泉は確かにその声を聞きました。でもその女の人の口が動いていた訳ではなかったのです。

彼女は心でその泉に話しかけていました。彼女の心の声はそれはとても美しいものだった、とその泉は言いました。

『声…どうしたの?』

その泉は尋ねました。

「小さいときに高熱で喉がやられてしまったの。」

女の人は心で話していました。でも手は作業をし続けていました。

「ごめんね。聞きづらいかな?だけど、話が出来て嬉しいよ。みんなとはなかなか話せないんだ…。聞いてくれてありがとう。」

そう言って女の人は去ってゆきました。

それからその泉はひとりぼっちではなくなりました。その女の人は草や木の種をまいていったのです。

また少ししてその泉の周りはにぎやかになりました。みんな芽を出すたび、

「初めまして。こんにちは。」

そう言って太陽の光が眩しそうに、また楽しそうにしながらその泉に話し掛けてくれるようになったんだそうです。
人に何かしてあげたい。1人ではないとあの女の人が、‘人’が知らせてくれたから。とその泉はすごう嬉しそうに話しました。

だから恩返しがしたいとそんなことも言っていました。

その想いがどこかへ通じたのでしょうか。その泉は『幸せの泉』と呼ばれるようになったのです。




私がその話を聞いた後何日も人は来続けました。

泉はだんだん細くなっていきました。だけどこの前とは違い、水を透明に、蒼にしていこうと強く思っているのか水の色はにごってはいませんでした。かえって心配でした。

そんな日が続いて、その泉はつぶやきました。

『僕は…人に何かしてあげたかった…。君が言ってくれた…話の女の子にも…感謝したいな…。』

とても声がかすれていました。

次の日、久しぶりに人形を抱えた女の子がやってきました。女の子はその泉の近くでびっくりしました。

「あんなに綺麗で大きかったのに…。」

私は、この子が始まりだったんだと気づくと怒りがこみ上がってきました。何か言ってやりたいなと睨みつけようとして、私はその女の子の後ろにいました。

彼女の後からもう1人女の子がやってきました。この前私が見た、犬に話しかけていた女の子でした。犬も一緒にいました。あ、知り合いかな?と考えるのは容易なことでした。

「ねぇ…私が初めて来たとき綺麗で蒼かったんだよ。今こんなになっちゃった…。それに…なんだか小さく見えるよ…。」

人形を持った女の子はそう言いました。
そして2人で泣き始めたのです。

「ごめんね。ごめんね。」
と言いながら。

犬は静かにその泉の水をなめていました。

そして…犬を連れた女の子は言いました。

『幸せの泉さん…あなたが泣いて下さい。私たちが泣いてもあなたの傷は痛いままなのでしょう。じゃあ私たちが居るとおじゃまかな…。ごめんなさい。』

そう言って人形を持った女の子と一緒に帰っていきました。

私はその泉が、人のためにしてあげたいと言った意味が少し分かるような気がしました。

そして…静かにそして大きくその泉は泣いたのです。

音は聞こえませんでした。でも水面がぶるぶる震えていました。風は全くない日でしたが。その水面で波を打っている満月が映っていたのをはっきりと覚えています。

私は泉の近くで膝を抱えて見ていました。





あれから泉の周りにあまり人が来なくなりました。だけど来ると花や話をして置いていってゆきました。

その泉はまた水をひたひたにして今もずっと居るのです。
水は底まで見える色になり、その泉は生き生きとしてきました。
私がパトロールしているとき空から手を振るとにこっと返してくれるんです。

その泉も人も、またひとつ何かを知ったようでした。



あれから人の笑顔がもっと素敵に見えるような気がしたのは私だけでしょうか…?







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コメント
★ 童話完成おめでとう
長編大変だっただろうな、って 思うよ。
雫さんが伝えたい事がたくさんあるように思えたよ。

>心が軽くなっていることに。
いろんな話を話した、その事だけでも心が軽くなる事。
楽しい笑い話を、一緒に聞いてもらえる、それだけでも。
木の妖精は嬉しく、幸せの泉も楽しかったはず。
友だちがいる事の大切さを教えてもらった。

>今度は数え切れないくらいの人が泉に押し寄せました。
>みんな泣いていきました。でも、よく聞いてみると…。
>お金がほしい。名誉がほしい。こんな仕事をやりたくない。
>頑張らずに業績を上げたい。

みんな自分の事だけ、身勝手なことだけ、自分だけが幸せに
なればいい、他の人の事など考えて居ない、そんな人・・
なのに・・幸せの泉は、悩みながらも、その願いを叶えてあげた・・。

だから、したくない事を心ならずもしているから、澄んだ心が
汚れ濁っていった。
それでも願いを叶えた、その理由は・・。

>ある期間ずうっとその泉はひとりぼっちだった

その寂しさを救ってくれたのが、ひとりの女の人だった。。

だから・・
>僕は…人に何かしてあげたかった…。

だからこそ
感謝と自分ができる事、恩返しだった。
その理由は・・。これがその答えだった。

でもその事で苦しみ悩み泉はある意味自分を汚してまでも
恩返しをしていった。
そのために小さくなってしまった泉。我が身を削ってでも。

でも、妖精が泉が傷ついてしまう原因を作った、
その事で憎む気持をもってしまった、女の子と犬を連れた
女の子が、気づき泉のために「ごめんね」と謝ってくれた。

>私はその泉が人のためにしてあげたいと言った意味が
>少し分かるような気がしました。
だから、妖精も憎むことはいけないと、気づいた。
元のようになった泉も人もそして、妖精も気づいた事がある。
大切な事に・・。

雫さん、おつかれさま。コメント第一号になれてよかった。
狙っていたからね。ww
すこしやすんで、また機会があれば、ぜひ書いてね。
応援して帰るね。☆彡☆彡
2008-03-15 Sat 05:02 URL | 雫 #Z7LMGkjQ[ 内容変更] | top↑
★ 雫さんへ
コメントありがとうございました。
とても嬉しかったです。…というのは長く書いてしまったのでブログに載せても誰も目にすることはないような気がしていたので。

話すということはとても大事ですよね。私は人との繋がりにおいて一番大切にしています。また、相手の話もゆっくり聞いてあげたいなって思うんです。

自分のことだけ考える…誰しもそんな面がありますし、そういうことを考えます。だから…その感情を持つのを真っ向から否定するというより、誰かのことを少し考える。それが大切だと思います。

間違うこと、
思っていたこととは違う新しいこと、
毎日毎日出会って
気づいて
少しずつ変わってゆく
いい方に変えていこう
今間違えてもいいんだ
変えていこうと思うことが大事。


温かなコメントありがとうございました!


2008-03-15 Sat 23:06 URL | 光藤 雫 #-[ 内容変更] | top↑
★ NoTitle
いっきに読みました。
考えさせられることでした。
雫さんがすべてコメントくださったようです。
指の動きが悪く短文ですが、お礼まで。
ありがとう。
2008-03-31 Mon 09:08 URL | まほ #-[ 内容変更] | top↑
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