この大きな空に淡く景色を描けたら…小さな心、空に捧げて。
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手品師(マジシャン)
2008-10-21 Tue 03:03
少女は歩いていた
彼女の散歩は長いことが多い
なぜか。旬の花を探しては茎を長めに取り、
わっかにするからだった

今日はまだそんなに数は取れていない
だから彼女は
いつもと違う道を通ってみたいなと思った

あちこち歩くその中で
ある門を曲がったその先の
小さな小路の道端で
涙を目に貯めながら
地に膝から座り込んで
両手を絡ませて祈る
黒い服で包まれた男の人を見た

何を想っているんだろう?

そう思いながら少し眺めた
なぜこんなにも苦しそうな顔で
こんな小さいところで居るの
男の人ってこんな場所より大きな場所が合うはずよ

そう思ったときだった
その人は少女の方を向いた

『嘲笑いたいなら笑ってくれ』
「違う、そんなことがしたいんじゃないわ」
『ふん、人はそうやって拒まれることを怖がろうとする。
それくらいは分かってるぜ嬢ちゃん』
「…あなたがあまりに辛そうに地に座っているから
気になったんです。どうされたんですか」
『俺の何を知りたいんだ?もういいだろう。
構わず放っておいてくれ』
「じゃあなぜこんな、
人が通るかもしれないこんな場所で
祈りを捧げる格好をしているのでしょう。
家なら私などに今怒ることなく
ただひたすら想うことができたでしょうに」

男の人はしばらく考えた
『…確かにお嬢ちゃんの言うとおりだ。
しかしお嬢ちゃんはこんなところでのんびりしている時ではなかろう』
「私はもともと散歩をしていました。
だからあてもなく歩き、また時間もあります」

男の人は再び何かを考え始めた
そうして口を開いた
『お嬢ちゃん、ありがとう』
「いえ、私なんて何も」
『さっき声を掛けてくれたとき
本当の優しさって感じがした。
俺は嬉しかった
お嬢ちゃんこれを貰ってくれないか』

男の人が空っぽの両手を差し出して
両方同時に内側へくるっと手首を回した

なぜこんなことをしてるんだろうと
女の子が疑問に思った次の瞬間、
男の人の両手には
一枝のきんもくせいがあった
それをはいと言って
彼女に差し出した

彼女は目を丸くして男の人を見上げると
『俺は実は手品師さ。
また会えることを楽しみにしてるよ、お嬢ちゃん』
彼は去っていった

いつか会えるのかな、
なんて女の子はきんもくせいを抱きしめながら
空にそっと呟いた

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